瀬戸・銀座通り物語 その六 学生を消費しない
瀬戸・銀座通り物語 その6 学生を消費しない
まちづくり活動を推進している先生方で、 成功されている方、継続されている方が、 学生との向き合い方で一番にあげるのが「学生を消費しない」という留意事項。 私も「自戒を込めて」それを意識しています。 逆に、これがわかっていない先生は、活動がうまくいかなくなると、 自分の学生に対するマネジメントが原因にも関わらず、 学生に無責任というレッテルを張って、学生のせいにしようとします。 商店街でも失敗しているところは、 たいてい学生を利用しようとして逃げられるパターンが多いです。 (ボランティアを便利屋と勘違いしていたり、 WinWinな関係を学生に無理やり押し付けようとしたり、、、) そして、寄り付かなくなったら学生批判で終わりです。 私も何度も失敗して、そのたびに反省してきました。 最初は、2001年の秋ごろだったと思います。 まちづくりサークルに入っているある女子学生からこんなことを言われました。 「来年度先生のゼミに入りたいんですが、 先輩から先生のゼミに入るとコキ使われるって聞いたんですけど、、、」 えぇ!それどういう意味?そのときは適当に弁明しましたが、 心当たりがありませんでした。 よくよく考えてみると、こんなことだと思われます。 当時、まちづくり事務所を商店街内に持ち、地域でいろいろな活動をしていきましょう、 と張り切っていました。 私は学生たちに、いろいろな経験を通じて 自分たちで企画して実践できるようにと願っていました。 そこで、イベントがあると、学生をそれに誘って、 PA(スピーカーやミキサーなどの音響設備)の使い方を教えたり (私は学生時代ロックバンドをやっていたので設営や操作のノウハウを持っています)、 準備・片づけなどを一緒に手伝ってもらったりしました。 また、まちづくりの会合やフォ-ラムなどにも、 勉強になるからと、学生に声をかけたりしていました。 ですが、学生に良かれとおもっていたことが、 負担にしかとられていなかったと気づかされました。 コミュニケーション不足といえばそれまでですが、 私と学生とのまちづくりに対する認識にギャップがあることにも気づかされました。 今では、学生にとって勉強になることでも、 先生や大学の意思で参加を促す場合には、 なるべく有償ボランティア代あるいはバイト代を払うようにしています。 また、ボランティアで一生懸命がんばっている学生に、 プラスアルファで何かを頼むときにもそうしています。 職員の方や他の団体さんから、 まちづくりボランティアに、なぜバイト代としての予算を付けるのか、 と懐疑的に聞かれることがあります。 そのときは、「大学の都合で、学生を消費したくないから」と説明するようにしています。 「一生懸命頑張っている学生に、こちらの都合で仕事をしてもらう時には 気持ちでいいので、何か謝金か図書カードなどを用意してください。」 とお願いするようにもしています。 ちゃんと説明すると、中には、気持ち以上の用意をしてくださる方もいます。 その気持ちを学生に伝えると、 また気持ちよく活動を続け、期待以上に活躍してくれます。 無償ボランティアのままで引っ張り続けると、 相手に利用されていると思うようになるのでしょう。学生は離れていきます。 バイト代を払うようになると、まれに、こんな武骨でクールな学生に出会うこともあります。 「先生、僕は、好きでこの活動をやっているので、バイト代なんかいりません。」 こういった学生には、別の形で応援をするようにしています。 (注)学生の主体的な活動にバイト代を出してはいません。 学生の意思を尊重して、見守ります。 上記のクールな学生の場合は、先生や大学の意思で学生を動かそうとする場合にでも、 気に入れば、自ら主体的に動きたい(学んでみたいとかやってみたい) という意思の表れだと思われます。 2003年11月に発行された「カフェをはじめる人の本」 夢を実現させた12のカフェのひとつに「マイルポスト」が取り上げられました。
by milepost
| 2012-01-20 21:54
| 商店街活性化
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